業種別指標

「PER(株価収益率)」業界目安の完全版~割安の株はどれだ!?

こんにちは!レイです!

30回目の「業界目安の完全版」はPER(株価収益率)です。

29業種の大手企業をグラフで比較しているので、業種や企業によってどのくらいの差があるのか一目で分かります。

PERとは

PERとは株価収益率のことで、時価総額を会社予想の純利益で割って求めます。PERの単位は倍です。

PER = 時価総額 / 純利益 または PER = 株価 / 1株あたり純利益
時価総額 = 株価 × 発行済み株式数
※純利益は会社予想

PERによって、同じ業種の株式と比べて割高か・割安かが分かります。PERが低いほど割安、PERが高いほど割高感が増します。

PERの目安と比較

PERは15倍以下だと割安、15倍以上だと割高と言われています。

PERが高いことは近い将来に増収・増益を見込むことができるため、必ずしも売り時とは限りません。株主の期待が大きいとPERに反映されるため、マザーズなどに上場しているベンチャー企業ではPERが100倍を超える企業があります。

時価総額は企業を買収したときの価格なので、M&Aの時にも参考にされます。

PERが15倍だと、企業は15年で買収価格の利益を稼ぐことになります。しかし、PERが100倍だから100年かかるかと言えばそうではなく、PERが高いほど企業が成長するにつれて買収額を稼ぐ期間が短くなる可能性も高まります。

純利益も株価も、年によって大きく変わります。よってPERが15倍以上かどうかよりも、同業種でPERを比較したり、企業の過去と現在のPERを比較することが重要です。

以下では証券取引所の金融を除く29業種について、売上高1~3位の企業のPERをグラフにしています。
※2020年10月~2021年9月に開示された有価証券報告書を参照

予想純利益が赤字の企業や予想純利益を公表していない企業のPERは掲載していません。

業界はザイマニで上場企業のPER2020年中央値が大きい順番で並べています。計算はバフェットコードEXCEL財務分析ツールを使っています。

情報・通信業

ソフトバンクグループはPER不明

日本電信電話は12倍、KDDIは12.1倍です。

医薬品

武田薬品工業は34.5倍、大塚ホールディングスは16倍、アステラス製薬は18.6倍です。

食料品

日本たばこ産業は12倍、アサヒグループホールディングスは26.9倍、キリンホールディングスは28.2倍です。

サービス業

日本郵政は11.7倍、リクルートホールディングスは71.4倍、博報堂DYホールディングスは34.5倍です。

精密機器

ニコンはPER不明

オリンパスは346.5倍、テルモは40.3倍です。

オリンパスのPERは2021年5月7日に2021年3月期決算短信発表を行った後に、急降下しています。2021年3月期の予想純利益は125億円、2022年3月期の予想純利益は890億円です。

マネックス証券銘柄スカウターより

石油・石炭製品

ENEOSホールディングスは17.9倍、出光興産は56.6倍、コスモエネルギーホールディングスは4.4倍です。

その他製品

任天堂は18.4倍、凸版印刷は11倍、大日本印刷は31倍です。

小売業

イオンはPER不明

セブン&アイ・ホールディングスは24.7倍、ファーストリテイリングは76倍です。

電気機器

日立製作所は13.1倍、パナソニックは22.1倍、三菱電機は25倍です。

繊維製品

帝人・東洋紡はPER不明

東レは29.2倍です。

水産・農林業

マルハニチロは21.6倍、日本水産は14.4倍、極洋は11倍です。

陸運業

東日本旅客鉄道・東海旅客鉄道はPER不明

日本通運は14.3倍です。

化学

三菱ケミカルホールディングスはPER不明

富士フイルムホールディングスは16.4倍、住友化学は46.8倍です。

ゴム製品

ブリヂストンはPER不明

住友ゴム工業は25.9倍、横浜ゴムは13.3倍です。

パルプ・紙

王子ホールディングスは20.3倍、日本製紙は51.1倍、レンゴーは8.5倍です。

機械

三菱重工業は58倍、ダイキン工業は43.5倍、小松製作所は40.4倍です。

卸売業(商社)

三菱商事は23.1倍、伊藤忠商事は13.3倍、三井物産は14.2倍です。

卸売業(商社以外)

メディパルホールディングスは19.6倍、アルフレッサホールディングスは23倍、三菱食品は15.9倍です。

倉庫・運輸関連

近鉄エクスプレスは12.1倍、上組は14.3倍、三井倉庫ホールディングスは5.5倍です。

空運業

ANAホールディングス・日本航空はPER不明

パスコは8.5倍です。

非鉄金属

住友電気工業は36.9倍、三菱マテリアルは33.8倍、古河電気工業は69.8倍です。

金属製品

LIXILは27倍、東洋製罐グループホールディングスは16倍、日本発條は42.1倍です。

電気・ガス業

東京電力ホールディングスはPER不明

関西電力は11.9倍、中部電力は9.4倍です。

輸送用機器

日産自動車はPER不明

トヨタ自動車は12.7倍、本田技研工業は12.3倍、

ガラス・土石製品

AGCは44.3倍、太平洋セメントは8.4倍、TOTOは48倍です。

不動産業

三井不動産は20.2倍、飯田グループホールディングスは13.3倍、三菱地所は19.9倍です。

建設業

大和ハウス工業は16.3倍、積水ハウスは12.1倍、大林組は7.7倍です。

海運業

日本郵船は7.1倍、商船三井は7.7倍、川崎汽船は2.6倍です。

鉱業

INPEXはPER不明

石油資源開発は15.7倍、日鉄鉱業は14.2倍です。

鉄鋼

鉄鋼は3社ともPER不明のため、省略します。

まとめ

  • PER = 時価総額 / 純利益(倍)
  • PERが低いほど割安、高いほど割高感が増す
  • PERは市場の企業に対する期待値が反映されている

最後までお読みいただきありがとうございました!

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